映画・テレビ

2016年12月 8日 (木)

「この世界の片隅に」を絶対に観に行かない5つの理由

「この世界の片隅に」を絶対に観に行かない5つの理由

「素人タレントに主役声優をやらせるな!」

「お涙ちょうだいの戦争映画は嫌い」

「アニメが漫画の原作を超えるのは不可能」

「宣伝してないのに、評判だけやたら高くてうさん臭い」

「映画館いくの面倒、DVDやテレビで観るからいい」

※この記事は某プライベートSNSで書いたのをまとめ直したものです。

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「素人タレントに主役声優をやらせるな!」

アニマルさんは、映画でシロウトの声優を使うことについては100%ネガティブな感情しかないんです。
主人公のすずさんの声をやっているのは「のん」(本名:能年玲奈)
まあ、宣伝でメディアに取り上げてもらうために、こういう話題作りも必要だし、しょうが無いね。
予告編みても明らかに棒読みっぽいし、耐えられなくてもココは目を瞑って(いや耳を塞いでか)我慢するしかないな。

ところがどうだ!のんは最高じゃないか!

演技もネイティブと思えるくらい広島弁も違和感がない。
なにより、主人公すずさんのおっとりした雰囲気と完全に声がシンクロ。
周りを固めるヴェテラン声優陣のおかげもあるのだけど、もはやのんのために用意されたといっても良い役作りの完璧さで、彼女の声以外を想像するのすら難しい。
映画見終わっても、ずっと頭のなかですずさんの声が響いてるのよ。

あまちゃんの後に事務所独立騒動で裁判やったりして芸能界を2年間干されていて、これが復帰初仕事。
おもえば、騒動がなければ能年玲奈は芸能界の王道を突き進んでいて、こんなマイナーアニメに出ることも無かったと思うと、人生なにがあるかわからんね。


「お涙ちょうだいの戦争映画は嫌い」


貴重な休みの時間をつぶして、なんで説教くさい反戦アニメなんか観なきゃいけないのよ?
どうせなら、楽しくて面白い映画みたほうがイイに決まってるじゃん?バカじゃね?

この映画は昭和19年に広島市からお隣の呉市にお嫁に行く18歳の少女のお話。
嫁ぎ先の家族との暖かくて笑いあふれる、楽しいコメディタッチのホームドラマです。これはまったくウソではなく映画館では笑いがあふれますし、メロドラマでもあります。
ただ舞台が戦時中なので、やがて物資や食料が欠乏するようになり空襲も始まり、生活は大変になっていきますが、みんな明るく前向きです。
しかし物語は、日本人ならだれでも知っている昭和20年8月にどんどん、近づいていきます。
戦争なので、悲惨な事もあるし人も死にます。
でもこの映画のラストは希望で終わります。

たしかに観れば「泣く」かもしれないですが、それは「泣かされた」とは違う。心に深くしみいる「ああ、良い映画を観た」です。みんなそう思います。
翌日になったら、観たことすら忘れてしまう「ただ楽しい映画」でなく、ずっと心に残る映画なんです。



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「アニメが漫画の原作を超えるのは不可能」

アニマルさんは、他人に話すとドン引きされるくらいのヘヴィーな漫画マニアなんです。
特に原作のこうの史代さんの大ファンなので、正直なところ期待をしつつも「はたしてあの名作をちゃんとアニメ映画にできるのか?」という不安のほうが大きかったんですよ。
(クラウドファンディングは一応参加した)

漫画マニアにとって「アニメ化」は悪夢と惨劇の歴史といっていい。
おまえら原作のリスペクトはあるのか?あったとしてもその予算と尺で、できると思ってんのか?その脚本ほんとに原作理解してんの?

まあ、せいぜい原作の面白さ20-30%だせれば成功、50%もいけば大成功だろう。
そんな気持ちもあるので、もう最近は自分が好きなマンガのアニメ化作品はできるだけ観ないという習慣ができているのだ。
だって好きだったものが無残に劣化陵辱される様なんかイヤなだけだろ。
本作についても心の予防線をはって、期待2割に不安8割くらいの気持ち。
結果は、大丈夫だった。
いや大丈夫どころじゃねー!!


原作のテイストを損なわないどころか、漫画ではできない、すべてのシーンに丁寧に動きと色と音を加えていく。しかもそれをパーフェクトなクオリティでだ!
かつてここまで幸福なアニメ化があったか。
こうの史代ファンで良かった、片渕監督ありがとう。


そうそう、この映画について原作の漫画読んでから映画観たほうがいいの?」という質問については、原作読むのあとにしなさいとアドバイスしておきます。映画→原作→もういちど映画が、いちばんいい。

あと原作ファンの人でカットされたり改変された部分については、こちらのユリイカで片渕監督が詳しく述べているので必見です。納得します。


ユリイカ 2016年11月号 特集=こうの史代 ―『夕凪の街 桜の国』『この世界の片隅に』『ぼおるぺん古事記』から『日の鳥』へ

「宣伝してないのに、評判だけやたら高くてうさん臭い」

まあ、たしかにツイッターみても「絶賛」「良かった」「観にいきたい」ばっかだよね。

この映画が作られた大きなきっかけはクラウドファンディングがあって、資金集めに窮した製作会社はネットでファンから資金を募って、3000人以上から3700万円が集まり製作がスタートしたんです(ちなみに実際の製作には4億円くらいかかるんで、残りは製作委員会方式で出資企業から集めた)

試写の段階で前評判が高いにもかかわらず、大きく取り上げたのはNHKだけ。
あと制作委員会に大手広告代理店やテレビ局が入ってないので、テレビCMやらないし、おなじみの番宣とかもありません。

しかものん(本名:能年玲奈)の事務所トラブルでテレビ局には圧力がかかっているとかで、もうほとんど民放メディア露出ゼロ状態

だけど、原作や片渕監督には大勢のファンがいる。のんのファンもいる。
こんな名作が埋もれてしまってはいけない「もう俺たちが口コミで広げるしかない」という状況なんですよ。
で、そういう評判を聞いて観たひとがまたファンになって「是非観て欲しい」と拡散するネットブームなわけね。
いわばこれはネット時代のチャレンジななわけですよ。
大手メディアや広告代理店に頼らなくても、ネットの口コミだけで大ヒット映画を生み出せるかという
壮大な社会実験なんですわ。

ということで、自分もこうやってじゃんじゃん宣伝してんだけど、「片渕の監督の次回作が絶対観たい!」からね、ヒットすれば次回作も早まるでしょ。
(あと完全版「この世界の片隅に」も観たい。)

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「映画館いくの面倒、DVDやテレビで観るからいい」

まあでも、世の中には「日本中で大ヒット」とか「大絶賛のあらし」とか言われると「違いの分かるオレ」的な厨二気質であえて無視してみたりするわけよ(アニマルさんもその傾向あるけど)
でさ、たぶん後で「なんであのときに無理してでも映画館いかなったんだ!」と自分を殴りたくなるよ。

まず音響。片渕監督が音響監督もやってるんだけどこれが実に素晴らしい。特に空襲シーンなんて圧巻だから。絶対にテレビじゃ無理。
そしてコトリンゴさんの音楽も素晴らしい

あと、この映画テンポがいいのもあるんだけど、没入感がすごくて集中して観ちゃうんで、自宅で「ながら観」しても全然面白くないと思うよ。映画館でポップコーン買った客がみんな全然食べないで出てくるくらいだからね。

「わたし涙腺よわいんで絶対に泣くから、こういうの観るののヤダ!」てヤツ。
心配すんなよ、どうせ女も男も、若者も年寄りも、みんなで泣いてるから。

テレビ放映に関しては、上でも書いたけどテレビ局が制作委員会に入ってないんで、しばらくはやらないと思うんで当分は期待薄いからね。
(大プッシュしてるNHKがやってくれたりしたら嬉しいのだが、CM]無しだしね)


劇場アニメ「この世界の片隅に」オリジナルサウンドトラック


というわけで、みんなも観にいこうな!
(公式サイト)


※初めましての方へ:こちらのブログは基本的に、おっさんが全国を位置ゲーしながらブラブラしてるのがメインなんですが、呉や広島に行ったときの記事もあるんで、よろしければどうぞ。

2016年10月27日 (木)
広島死闘編、呉で「この世界の片隅に展」&てつのくじら館にCS第2戦


2014年8月 6日 (水)
西域18きっぷ編、こうの史代「この世界の片隅に」特別展@大和ミュージアム


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